体の気血の流れ：経絡について
投稿日：2019年04月18日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです！
東洋医学では
体内（内臓）と体表（皮膚）を結ぶルートがあり、
これを『経絡（けいらく）』といって、
そこに気血が流れるとされています。
経絡とは
経絡とは「経（経脈）」と「絡（絡脈）」に分けられます。
経は縦に走行するもので、正経十二経脈と奇経八脈があります。
正経十二脈はそれぞれ内臓と連絡して気血をめぐらせて本来の機能を正常に発揮させるとともに、
十二本がつながって連絡しあって一本の環となり、人体を循環していると言われています。
絡は、経脈と経脈を横方向につないだり
（あみだくじの縦線が経、横線が絡というイメージです）、
経脈から体表に向かって分かれ出る細い脈をさし、全身を網状にまとっています。
経絡が人体の内外を網のように連絡することで、
全身に気血をめぐらせて体を養い、
規則正しい生理活動を維持することができるというものです。
ちょっと言葉が難しいかもしれませんが、
体内と体表をつなぐルートがあって、
そこに気血が流れて体を栄養していると簡単に捉えてみてください。
気血が全身を正常に流れていれば、内臓も正常に機能できる、
もし気血が不足したり、一部に多すぎてあふれてしまったら、何かしらの影響が体に表れるのです。
経絡の流れ
経絡に気血が流れるのには、一定の方向があり、
その流れを流注（るちゅう）といいます。
専門的に書くと、
手の太陰肺経→手の陽明大腸経→足の陽明胃経→足の太陰脾経→手の少陰心経→手の太陽小腸経→足の太陽膀胱経→足の少陰腎経→手の厥陰心包経→手の少陽三焦経→足の少陽胆経→足の厥陰肝経
です。
漢字が多すぎて難しいですよね……
基本的には、
手の陰経は胸から手へ、
手の陽経は手から顔・頭部へ、
足の陽経は顔・頭部から足へ
足の陰経は足から胸腹部へ、
という流れです。
ツボの選択
当院で行う鍼灸施術は、
クライアントさんから症状・体調のお話をきくとともに、
脈・腹・舌を見て体質を判断して、
刺激するツボを選択します。
ツボ（経穴）には
経脈上にある正穴、
経脈上にないが名称や部位が定まっていて治療効果のある奇穴、
押すと心地よかったり圧痛を感じたりする阿是穴（名称や部位は定まっていない）
といった分類があり、
ツボは経脈と機能的なつながりを持ち、
経脈を通じて内臓と関連があると考えられているものです。
つまり体表にあるツボを刺激することで、
経絡の走行に沿った内臓や部位に効果を及ぼせると考えて、ツボを選択するのです。
気血の流れを体感
経絡の走行・流注は専門学校で勉強し、国家試験でも問われます。
当時は必死に頭に叩き込んでいました。
しかし、卒業してからとなると、
自分の得意分野やよく使う分野は頭に入っているものの、
それ以外はどうもうろ覚えになってしまっていました……
今日、気の流れをスムーズにする目的で
足の厥陰肝経の太衝というツボ（部位は足の甲）に鍼をして刺激していた時のことです。
クライアントさんが
「今刺激しているところってノドと関係ありますか？
今すごいノドの奥に何か感じてきてるんです」
とのこと。
足の厥陰肝経のルートは
足の親指外側から下肢の内側を上がって、生殖器、下腹、側腹部、胸（乳房）に行き、
肝に入って胆をまとう、という認識でした。
ノドはどうだったかな～？と思って、
その場でテキストを確認させてもらうと、
書いてありました。
「さらに横隔膜を貫き季肋に広がり、
食道・気管・喉頭・目系（眼球・視神経）につらなり、
額に出て、頭頂部［百会］で督脈と交わる。
目系から分かれた支脈は、頬の裏に下り唇の内側をめぐる。
肝から分かれた支脈は横隔膜を貫いて肺を通って、中焦に至り、
手の太陰肺経とつながる」
（参考：『新版 経絡経穴概論』医道の日本社）
とのこと。
まさに喉頭=ノドにつながっていました！！
クライアントさんいお伝えすると、
「やっぱり！当たっていたんですね。
私の体って分かりやすい！」
と話されていました。
クライアントさんのお体に教えてもらうことばかりです。
経絡について、忘れてしまっている部分もあるので
きちんと復習しようと思いました！
自然治癒力を引き出します
ツボ、経絡を使っての鍼灸刺激は、
その人が本来持っている治る力（自然治癒力）を引き出すことを目的としています。
体のケアには
痛いところを直接強い力で押したりマッサージしたりする方法もあるかもしれませんが、
症状が出ている部位とはかけ離れたところへ刺激をして、
体の神秘的な仕組みを利用させてもらう方法もあります。
最小限の優しい刺激で、本来体がもっている力を引き出すことができれば、
その後時間の経過で
ちゃんと自分で治っていけるのだと信じています。
腰が痛くて、
腰をもんでもらいたいと思っている人には正直物足りないと思います。
けれどももし、
これまでと違う方法で体をケアしてみたかったり、
自分の体の仕組みを理解して信じてみようと思ったときには、
鍼灸、経絡、ツボという分野がお役に立てます。
（私もしっかり勉強しておきます！！）
お気軽にご相談ください。
