うっとうしい首の痛み
投稿日:2019年05月06日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです!
当院に一年以上通われているクライアントさんから、
首の痛みで困っているというご主人を紹介していただきました。
うっとうしい首の痛み
Aさん 40代 男性 会社員
Aさんは毎年2月、3月頃になると首が痛くなり、
マッサージに行ったり、整体に行ったり、整形外科に行ったり、湿布を貼ったりというような対処をして、
そのうちに痛みが治まっているということを繰り返しているとのことです。
今年も2月末あたりから首が痛くなり整体に何度か通ってみたそうですが、
その時はなんとなく良くなった気がするけど、結局また元に戻ってしまっているそうです。
最近は首の痛みがますます強く、
横になることもしんどい、
何をしてても痛い、気になる、
眠れない、
「もう本当に首がうっとうしい」と話されました。
本当にお辛そうです。
これだけ痛みが強いというのは、体が極度の悲鳴を上げていて、もう限界寸前という状態でしょうね。
痛みは悪者ではありません。
痛みは体からのSOSサインで、
これ以上無理や我慢を続けたら身体が壊れてしまいますよ、
ということを教えてくれています。
そしてAさんがうっとうしいと感じている首ですが、
だからと言って首を取り外すことはできないですし、
普段の生活で首が頑張ってくれているからこそ、
頭を支えたり、視野を広げたりできているんですよね。
そんなお話をしてから施術に入りました。
首の痛みへの鍼治療
はじめにお体の確認をすると
首の可動域は狭く、特に上を向けない状態です。
仰向けで股関節の可動域や脈や腹、舌の状態をみようとしたのですが、
そもそも仰向けになるのが辛いとのこと。
辛く感じる体勢になることはもうそれだけで体が緊張してしまいますので避けます。
うつ伏せになってみましたが、
ほんの短時間なら大丈夫だけど、すぐにうつ伏せも辛くなるとのこと。
では横向き(側臥位)は、と試してみましたが、
これもきつそうです。
ということで一番マシという座位で施術を行うことにしました。
これは本当に重要なことで、
症状が強いときほど、少しでも本人が楽・マシと感じる体勢を探してあげることで、
それだけでちょっと緊張が緩んで、治りやすくなると思っています。
さて、座位で鍼を行うときに気を付けることがあります。
鍼刺激は血管を広げる作用や副交感神経を活発にする作用があるのですが、
頭首肩周囲に鍼をした際、それが過度にはたらきすぎると
一時的に血圧が下がったり、脳への血流が減って
クラっとして貧血のような状態になることがあります。(一過性脳虚血、脳貧血)
特にもともとの緊張が強い場合に起こることが多いです。
(もし脳貧血を起こしたとしても、横になったり、回復のツボに刺激を加えたりすることで対処できるので、
大きな心配はいりません。安心してください)
Aさんは鍼は初めてです。
痛みに対して体の緊張も強いですし、初めての鍼ということで少なからずその緊張もあると思います。
ですので、いきなり首に鍼をすると脳貧血を起こす可能性が高いと考えられました。
それもあって、まずは遠隔で手、腕のツボへの刺激から始めました。
鍼の刺さる感覚、鍼が奥に進んでいく感覚、ズーンという重いような刺激の感覚を感じてもらいながら、
クラクラしないかを確認して慎重に進めていきました。
脳貧血は大丈夫そうでしたので、手と腕に鍼を刺した状態で首を動かしてもらうと、
初めよりは回旋(首を左右に回す動き)の可動域の幅が少し広がりました。
首が痛いと首に(痛い所に)鍼をするというイメージがあったようですが、
全く離れている所にあるツボに刺激をして変化が出るのを不思議がっていました。
知識としては、
体内に気(エネルギー)の流れるルートがあって、
手や腕のツボがそのルートを通じて首につながっているので効果が出るというものです。
知識としてわかっていても本当に不思議ですよね。
鍼灸師である私自身も実に面白いと感じています(^_^)
首の可動域が少し出てきたところで、今度は背中・腰への鍼です。
本人は気づいていませんでしたが、
背中、腰の筋肉もガチガチに張っています。
緊張、ストレスを和らげるようなツボ、
体を支える骨盤を安定させるツボ、
筋肉のこりが強い部位などに軽い刺激で鍼をしました。
これで上半身の緊張が和らぎ、初めよりも上を向きやすくなりました。
首が痛いときに上を向くのは、首に付いている筋肉だけで動こうとすると無理があります。
上半身をうまく使って連動して上を向くと、スムーズにできるようになるのです。
初めよりは可動域が広がっていますが、もう一歩という感じでしたので、
首肩周りに鍼をして軽く刺激を加えます。
これでさらに可動域が広がって良かったです。
仰向けになれるようになったので、
根本的な胃腸を整えるツボに鍼をして終了しました。
首の痛みへの整体
鍼治療を終えて、初めよりはだいぶ可動域が広がりました。
さらに回復力を高めるために整体を組み合わせて行います。
整体は、気持ちいい動きをして全身のバランスを整えることを主眼としています。
ですので、痛い部分(今回は首)はまずそうっとしておいて、
足元に触れて下半身から動かしていきます。
それから腕を支えながら、肩甲骨や背骨を中心に動きをつけていきます。
今この瞬間の体の感覚を感じてもらうと、
目を閉じてしばし無言です(笑)
その後「なんか気持ちがいい感じです」と。
それを味わってもらったら、体の回復スイッチは入ったということです。
首の可動域や腕の上げ下ろしを確認すると、
初めよりは改善しているものの、まだ左の首筋に痛みが残っているようです。
そこでAさんに
「もう少し動かしたかったら、もう一つ違う方法でやります。
でも痛いっていうのは、もう動かしてほしくないから痛みを出しているのかもしれません。
今Aさんはどうですか?首はなんと言っていますか?」
と質問しました。
そしたらAさんは
「休みたいって言っています」
とのこと。
休みたいって言っているなら、休ませてあげるのが一番です。
もうそれ以上刺激を加える必要はありません。
ということで施術を終えました。
自分でできるセルフケア方法について、
休みたい想いが消えて体を動かしたくなったらやってみてくださいね、
とやり方をお伝えしました。
まだ症状は残っていましたが、
今この瞬間の体を感じられたこと、
休みたいという体の声に気づけたこと、
それを口に出して表現できたこと、
これらのことできっと日に日に良くなっていくと信じられました。
あまり多くは話されませんでしたが、
11月からずっと仕事が忙しく、
プレッシャーもあったり、
休日出勤をしたり、
冬の寒さで趣味のスポーツをできなかったり、
といろいろと抱えているようです。
本当に「休みたい」って言えてよかったなと思います。
痛みがなくなり家庭円満
Aさんが来院されてから2週間。
その後どうされているかな~と思っていたところで、奥様のご来院です。
ご主人の様子をうかがうと、
「すっかり良くなったみたいで、ありがとうございました。
前までしょっちゅう痛い痛いってうるさく言っていたのが、全然聞かなくなりました。
また来たいって言っているんで、その時はよろしくお願いします」
と教えてくれました。
あれだけうっとうしかった痛み。
自分の体を大事にして回復力を信じて、痛みがなくなったようで良かったです。
ご家族も
しょっちゅう「痛い」って言っているのを聞いたり、
イライラ不機嫌そうにしていたり、
困っていたり、
辛そうな姿を見ているのはイヤですよね。
本人の体調が良くなって、
家庭内もいい雰囲気になって、
いい循環です!
※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。
土日祝も開院しています
会社勤めの方、カレンダー通りにお仕事のある方は平日にはなかなか体のケアの時間を確保しにくいようです。
毎日朝から晩までお仕事お疲れ様です!
仕事が休みの週末にしっかり体をケアしたいという方のために、
当院は土日祝も開院しています。
受付時間は10時~16時です。
(ただし、不定休にしていますので土日祝でも休みのことがあります。
詳しいことはトップページのお知らせ欄をご覧ください)
ご予約は24時間受け付けのLINEからのメッセージが一番便利です。
日中・夜間問わずお気軽にお問合せください。
できる限り早く返信いたします。