腸内環境を整える
投稿日:2020年11月18日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです!
先日腸内環境について学びました。
腸内環境
「腸内環境」という言葉は一度は耳にしたことがあると思います。
最近は腸内環境を整える対策を「腸活」と表現されていたりしますよね。
食べた物を消化・吸収して代謝、そして排泄するのに
腸内環境の良し悪しは大きく影響しています。
腸には必要なものを取り込んで、
不必要なものを取り込まないというはたらきがあります。
何が必要で、何が不必要なのか見分ける力が大事!
これがきちんと見分けられたら免疫力が発揮されます。
リーキーガット症候群
健康な腸の上皮細胞は、隣り同士の細胞がピッタリとくっついて(タイトジャンクション)、
異物の侵入を防いでいます。
しかし何らかの理由でタイトジャンクションが緩んで隙間ができてしまうと、
その隙間から本来は取り込まれないはずの異物(未消化の食べ物、添加物などの化学物質、水銀などの重金属、細菌やウィルスなど)が血液中に入り込んで、炎症やアレルギーの引き金となってしまいます。
これをリーキーガット症候群(腸漏れ症候群)といい、
原因は、
・人間が消化しにくい食べ物(特に小麦のグルテン、乳製品のカゼイン、大豆のサポニン、ナス科の食べ物のソラニン)
・カンジダ菌の増殖
・ストレス
・農薬、添加物などの化学物質
・ピル、抗生剤、胃酸抑制剤などの医薬品
と言われています。
健康な腸では、ゾヌリンという執事役の物質が、
タイトジャンクションを通す物(アミノ酸などの栄養素)と通さない物(細菌や未消化物)を見極めてくれているそうですが、
上記の原因によって執事がちゃんとはたらいてくれなくなってしまうのですね。
小麦のグルテン、乳製品のカゼインはこれまで何度かブログに書いているので知っていましたが、
大豆のサポニン、ナス科の食べ物(ナス・ピーマン・トマト・じゃがいも)に含まれるソラニンも消化しにくいとは今回初めて知りました。
かといって、これらの物を絶対に食べてはいけないのかというとそうではなく、
食べ過ぎないように気を付けたり、よく噛んで消化しやすい形にしたり、
胃酸の分泌をよくしたり、消化酵素のもととなるタンパク質をしっかりとることで、
食べても消化できるような体作りが大事とのことです。
(タンパク源に豆腐をよく食べる私なので、しっかり噛んで食べようとますます思いました)
腸内細菌のはたらき
腸内には100兆個の腸内細菌がいます。
腸内細菌は善玉菌・悪玉菌、そして善玉菌にも悪玉菌にもなり得る日和見菌の3種類に大別され、
その理想的なバランスは
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7です。
腸内細菌叢のはたらきは、
・エネルギーの補給(腸内細菌が水溶性食物繊維を分解して短鎖脂肪酸(酢酸や酪酸など)が作られ、大腸のエネルギー源となる)
・病原菌からの防御
・全身の免疫の調整
です。
抗生剤や胃酸抑制剤の使用、欧米型の食事によって
腸内細菌叢が乱れてしまうとエネルギー切れ、免疫力の低下を引き起こしてしまいます。
理想の腸内細菌叢バランス、大事です!!
ストレスと腸のはたらき
ストレスで便秘になったり、下痢を起こしたり、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
ストレスがかかると、自律神経のうち交感神経が高まって体は緊張状態になります。
この時胃腸の働きは抑制されています。
(胃腸は副交感神経が高まっている時、つまりリラックスしている時によく働いてくれます)
ストレス状態だと腸の蠕動運動が弱まるので便秘になったり、
水分を吸収する力が働かなくて下痢になってしまったりするのです。
またストレスがかかると、副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールが多量に分泌されます。
しばらくはコルチゾールのおかげで元気に活動できるのですが、これがずっと続くと副腎は疲れてしまいコルチゾールを分泌できなくなります。(副腎疲労)
コルチゾールには血糖を上げる働きがありますが、これがはたらかなくなると低血糖状態になり、
生命維持のために他の手段(交感神経優位)で血糖を上げようとするので、
胃腸の働きが抑制されて消化不良につながってしまいます。
その他、
体の中で糖を作る仕組みがはたらかないことでも低血糖状態となり、
同じく交感神経が優位となり胃腸の働きが低下します。
胃腸の働きが低下してきちんと消化できないと、
胃もたれしたり、未消化のまま腸内を進んでますます腸内環境が悪化してしまうことにつながります。
ストレスは腸内細菌叢にも影響するといわれています。
善玉菌が減って、悪玉菌が増えるそうです。
ストレスは大敵ですね!!
理想的な便
腸内環境は便に反映されます。
便は体からのお便りと言われています。
理想的な便は1日2回くらい、
黄土色のバナナ状のものがスルッと出ることです。
便の形、色、量、匂い、回数などを観察して、
自分の腸内環境がどうなっているのかを把握しましょう。
よく噛んでいるかな?
早食いになっていないかな?
水分が足りているかな?
食物繊維が不足しているかな?
など便の状態から自分の食生活を見直してみるといいと思います。
腸内細菌ー腸ー脳相関
腸内細菌が副交感神経の迷走神経を介して、脳に情報を伝えていると言われています。
幸せホルモンといわれるセロトニン。
セロトニンの90%は腸内で作られ、貯蔵されています。
この腸で作られたセロトニンは脳の中に入ることはできません。
マウスを使った実験で、
善玉菌である乳酸菌を与えたマウスは不安・抑うつ行動が低下し、
迷走神経を切除して乳酸菌を与えたマウスは抑うつ減弱の効果はナシ、
と結果が出たそうです。
セロトニン自体は脳に入ることはできないけれど、
迷走神経を介して脳に伝わって、不安・抑うつ行動の低下につながっているとのことです。
逆に腸内環境が悪化して悪玉菌が増えると、それも迷走神経を介して脳に伝わり、不安行動を引き起こすそうです。
腸内環境と脳の関係は大事です!!
腸内環境を整える
ここまでお読みいただきありがとうございます。
結局のところ、腸内環境を整えるにはどうすればいいの?ということが一番気になりますよね。
何を食べるか?に意識がいきやすいと思いますが、
まずは「引き算」。
不要なこと、邪魔していることを除くことが大事です。
・不要な医薬品を使わないこと(抗生物質。どうしても内服する時は必ず整腸剤とセットで飲むこと)
・ストレスを除くこと
・高脂肪食、精製糖質(白砂糖、小麦など)を控えること
・加工食品、添加物を避けること
・消化不良を起こしやすい食品を避けること(小麦のグルテン、乳製品のカゼイン、大豆のサポニン、ナス科のソラニンなど)
・慢性炎症を改善すること
腸の炎症、上咽頭円、歯周病、脂肪肝などの慢性炎症状態では、抗炎症のために副腎皮質からのコルチゾールの分泌が増えて、胃腸の働きが抑制されます
引き算をしたうえで、
体にいい栄養・菌を摂りましょう。
体にいい菌(プロバイオティクス:ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌、ロイテリ菌、土壌菌)を摂る時、
注意するのは「1種類のみにしないこと」です。
1種類のみをずっととっていると、のちのち腸内細菌叢のバランスを崩してしまう可能性があるとのことです。
理想は5~10種類をローテーションで摂ることで、
様々な菌が上手にバランスをとって、はたらいてくれます。
腸内環境のためにと言って毎日ヨーグルトを摂っている方もいますが、
ヨーグルトにはカゼイン(人が消化しにくいタンパク質)が含まれていますので、
できれば、ぬか漬けやキムチ、みそなど他の食品で乳酸菌が摂れるといいなと思います。
その他、
サプリメントを使う場合もいくつかの製品を順番に飲むのがいいそうです。
そして排便コントロールも大事です。
運動したり、水分を摂ったり、よく噛んで食べたり、お腹を温めたりさすったり、深呼吸したり、鍼灸を受けたり、
自分に合った排便コントロール方法を見つけていきましょう。
ということで、腸内環境について学んだことをいろいろと書きました。
腸内環境を整えることは栄養の吸収・代謝、免疫、脳・精神面への影響など、
健康に大きくつながっていきます。
腸内環境を整えて、幸せで健康な生活を目指しましょう!!!
(最後までお読みいただきありがとうございました)