東洋医学の可能性
投稿日:2023年03月04日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです!
東洋医学の可能性についてブログに書いてみます。
東洋医学の可能性
先日の母校での症例報告会の場で質問を受けました。
「看護師として西洋医学の世界で働いた経験があり、今は鍼灸師として東洋医学の考えで活動している中で、立野先生の考える東洋医学の可能性はどんなところにあると思いますか?」と。
その場ではうまく答えられませんでしたので(^_^;)、このブログに書いてみたいと思います。
東洋医学のニーズ
まずはクライアントさんのニーズとして、
「薬を使いたくない」「痛み止めや湿布で良くなると思えない」
「なるべく安全で自然な方法がいい(薬の副作用が心配)」
というような声があることです。
私自身も薬を使いたくない派なので(変なものを体に入れたくない)、よくわかります。
鍼灸を受けに来てくださる方の声なので、その大体の方は西洋医学よりも鍼灸・東洋医学の世界に期待してくれているのだと捉えています。
その期待・ニーズがあること自体が、東洋医学がクライアントさんの健康に貢献できる可能性なのかなと考えます。
鍼灸院に来院される方は、世の中の人口でみたら少数です。(統計によると鍼灸の受療率は5~7%だそうです)
逆に言うと、鍼灸を受けたことがないという方が大多数です。
当院で人生初の鍼灸を受けた方にお話を伺うと、
「これまで興味はあったけど、なんとなく踏み出せなかった。友人に鍼を勧められて今回来てみた」
「家族が鍼灸を受けて『すごくいいよ』と言っていたので自分も受けてみようと思った」
というように身近な方の鍼灸経験を聞いて、それに後押しを受けて来院されるケースもあれば、
「整形外科とか整体に通ったけどあまり症状が変わらなくて…だったら鍼灸なのかなと思った」
「インターネットで調べて鍼灸がいいと書いてあったから」
というようにチャレンジとして来院されるケースもあります。
逆子でお悩みの方は「産科医や助産師に鍼灸を勧められたから来ました」という方もいます。
このような方の期待に応えられるような満足してもらえるような結果を残して、それが東洋医学・鍼灸への信頼や口コミにつながって、まだ鍼灸を受けたことがない方々へ広まっていければいいのかなと思っています。
全体の調和
次に西洋医学では専門分野が確立されているからこそ、症状(体の一部)に焦点を当てて診ることが多いです。
例えば胃腸の症状なら消化器内科、皮膚のトラブルなら皮膚科、眼は眼科など。
医師は自分の専門分野に関しては得意だけど、他の分野のことには目を向けなかったり、手を出さなかったりします(良い悪いの話ではなく、そういうものです)
「総合診療科」のような名称で全体を診てくれるところももちろんあります。
東洋医学ではその人を全体として捉えて、気血水の流れや過不足、内臓の相互作用やツボのルートの関連などの視点からお体を把握しています。
こんなエピソードがあります。
腕のだるさを主訴に来院された方が数回鍼灸を受けた後から、アトピー性皮膚炎で困っていた背中の皮膚の状態が明らかに改善し保湿剤を塗らなくてもよくなったこと、その後も定期的に鍼灸に通って、結婚式で背中の開いたウエディングドレスを着られたことをとても喜んでくれました。(子どものころから悩んでいて、自分は皮膚を隠すようなドレスしか着れないと思っていたそうです。)
この方にはアトピーに対して特別にツボを使ったわけではなく、全身の気の流れを整えるような鍼灸治療を行いました。
他には、初回はお尻の痛みを主訴に来院された方が、胃腸が弱いことや下痢にも困っていて、冷えと水分代謝を改善するような鍼灸治療を行った後、それらの症状が改善した以外にも「そういえば朝歯磨きをするときにいつもオエっとえずいていたのがなくなりました」と話してくれたり、今も定期的にいらしていますが「ここに通いだしてから風邪をひくことがなくなりました」と話してくれます。
このように東洋医学の視点でお体の状態を把握して全体が調和されるように鍼灸治療を行っていくことで、表立っていた症状の改善のほかにも、話題に挙げていなかったお悩みの改善、悩みとして捉えてもいなかったようなことの改善にもつながっていきます。
全体が調和すれば、おのずと症状が出なくなってくれるのですね。
全体を調和できることも東洋医学の可能性だと考えます。
素晴らしい体の仕組み
鍼灸治療を受けた後にその効果に満足して感動してくださる方が多いです。
「鍼灸ってすごいですね!」「先生すごい!」
などと伝えてくださいます。
喜んでもらえてよかったなと思いますし、鍼灸ってすごいとも思います。
しかし鍼灸だけがすごいわけでもなく、私だけがすごいわけでもなく、
感動的な変化があったのは、そのクライアントさんの体がすごかったのです。
(そして感動できる素直な心も素晴らしいです)
よくクライアントさんにお話しするのは、
「人形に鍼をしても何も変化は出ないんですよ。〇〇さんのお体が鍼灸の刺激に反応してくれたからこんなに変化が出たのです。だから自分の体のすごさをほめてあげてくださいね!」と。
人間にはもともと備わっている素晴らしい体の仕組みがあって、その本来のはたらきを発揮できるようにサポートするのが鍼灸治療です。
ですのでその素晴らしい体の仕組みをリスペクトして、謙虚にいたいなと思っています
鍼灸師である私もですが、クライアントさん自身にも自分の体の素晴らしさを感じてもらって、それを伸ばしていく考えは東洋医学の可能性の一つかなと考えます。
西洋医学のすごさ
東洋医学は素晴らしいと考えて鍼灸師をしている私ですが、西洋医学を否定しているわけではありません。
看護師として働いている当時、心臓の手術をして一週間ほどで元気な顔で退院される方の姿を見て、最先端の医療ってすごいなーと思っていましたし、手術によってこれまでの病気の不安から解放される安心感は大きいんだろうなと思っていました。(もちろん病気の原因となった生活習慣の改善は必要ですが…)
西洋医学も東洋医学もそれぞれ得意分野がありますし、できないこともあります。
その特徴を理解してうまく活用していけたらいいのかなと思います。
今私が毎月勉強している分子栄養学は西洋医学の知識をもとに、その人の体で何が起きているのか全体として捉える視点も持ち合わせています。
クライアントさんに東洋医学の視点で「気の流れが……」などと説明した後に、「栄養面の視点からのアドバイスは……」などと混在してお話ししていること多々です。
目指すところは“クライアントさんが本来の自分を取り戻して幸せで健康な人生を送ること”
そのために私にできることをやっていきます!!
最後までお読みいただきありがとうございました。