咳・のどの痛み・鼻水：呼吸器系のトラブルへのツボ
投稿日：2019年03月14日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです！
このところ、咳やのどの痛みなど呼吸器系のトラブルを抱えた方が増えています。
四診で体の状態を把握
当院ではクライアントさんからお話を聞くこと（問診）のほかに
顔色、皮膚の色、舌の状態、姿勢などをみること（望診）、
声色、呼吸音を聞くこと、匂いを感じること（聞診）、
脈、お腹、皮膚に触れること（切診）、
という四つの視点から情報を得て、
総合的に体の状態、体質を判断しています。
これを四診と言います。
この四診によって見立てをつけ、
どのようなアプローチをするか（ツボの選択、刺激量の程度、鍼か灸かの選択）
を決めています。
体は様々な情報を教えてくれますので一つずつ丁寧にひろって、
それを東洋医学の理論と統合しながら、最終的な判断をするのです。
（これがまたとっても難しいのです。
経験を積んで精度を高められるように、日々修行です）
肺のトラブル
このところ、咳やのどの痛み、鼻水、鼻づまりなど、呼吸器系のトラブルを抱えている方が多いです。
咳、のど、鼻の症状は「肺」のトラブルが考えられます。
しかし症状だけで単純に判断するのではなく、
先ほどの四診をすべて活用してから、見立てることが大事です。
脈をみると、
肺を表す部位に反応が出ていることもあれば、
他の内臓のトラブルを表していることもあれば、
弱々しい場合もあれば、
ドクドクと強く打っている場合もあれば、
ゆっくりなこともあれば、
速いこともあります。
舌は？
お腹は？
など体から教えてもらいます。
総合的にみて「肺」のトラブルだと判断できたら、
肺に関連するようなツボを選んで刺激します。
肺に効くツボ
肺に関連するようなツボは体にいくつもあります。
胸、肩、腕、指、背中などに点在しています。
その中で私がよく使うツボは
背中にある「肺兪（はいゆ）」というツボです。
肺という名前がついているので分かりやすいですね！
場所は、肩甲骨と背骨の間にあります。
詳しく書くと、
第３・４棘突起間の高さ、
（肩甲骨の上部にある出っ張り=肩甲棘の内端の高さ）で、
背骨から指2本分の距離にあるツボです。
文字で見てもいまいちよくわかりませんよね。
イラストはコチラです。（赤色の下線のついているツボです）
（イラストは「ツボ単」NTS出版より）
図で見ると少しは分かりやすいでしょうか。
この肺兪というツボを丁寧に刺激します。
「丁寧に」というとゆっくりというイメージがあるかもしれませんが、
そうとは限りません。
熱を持っていたり、
体が闘っているときには、
鍼を刺してすぐに抜くという刺激です。
体が冷えっぽかったり、
体力が落ちているようなときには、
鍼を刺したまましばらく置いたり、
お灸をしたりします。
その方の体にとってどのような刺激が適しているのかに対して
「丁寧に」応えるということです。
ここで２つの症例を紹介します。
体が冷えている方への鍼灸
６０代女性
鼻炎の症状が例年より強く出ているとのこと。
頭がフワフワすることが多いようです。
足は冷えています。
脈は肺が少し弱い感じでした。
肺兪には鍼を浅く刺し、そのまま置きます。
そのすぐ横に台座灸をしました。
このクライアントさんはお灸の刺激に敏感で、
これまでは一番熱刺激の弱い台座灸を使用しても、熱く感じて途中で外すことがほとんどでしたが、
この日の肺兪へのお灸はあまり熱さを感じず、
「ほんのり温かい感じです」という表現をされていました。
お灸の熱を感じにくいということは、それだけ体が冷えていたのでしょうね。
他のツボも使って鍼・灸の刺激を組み合わせてこの日は終えました。
次に来院された際にお話を伺うと、
「この間すごく効きました。次の日のどがすーっとした感じでスッキリして、鼻も治まりました」
とのことでした。
良かったです(^_^)
※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。
熱っぽい方への鍼灸
先日のブログで書いた方です。
発熱後の咳の残り、のどの腫れっぽさがあります。
脈は速く打っています。
熱が体内にこもっているようでしたので、
肺兪には鍼を刺してすぐ抜くような刺激をしました。
お灸はしません。
他のツボも使ってこの日は終えました。
３日後、道端でお会いしたところ、
「すっかり治りました！咳も止まったし、のどの痛みもなくなりました！ありがとうございました！」
と元気いっぱいに伝えてくださいました。
良かったです！
※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。
ツボの使い方
同じ肺兪というツボを使って、
刺激の方法は異なって、
お二人とも回復しているのは、
本人の持っている回復力を引き出せた結果だなと思っています。
適切なツボの選択、
適切な刺激方法、
どちらも大切だなと改めて感じました。
そして鍼灸がスゴイわけではなくて、
やっぱり人間の回復力ってスゴイな～と再認識した次第です(^-^)
健康情報誌などでツボの知識が出回っている中で、
一般の方にツボが身近な存在になっていると思います。
それはとっても喜ばしいことです。
そして私は鍼灸師として、
プロならではのさらなる専門知識や経験値を総動員して、
クライアントさんの健康をサポートしていきます！
お気軽にご相談ください。
（追記：肺、呼吸器系のトラブルは、
胃腸の負担が大きいことや、便秘、腎（腎臓）のトラブルなど、
他の要因が絡んでいることも多いです。
ツボへの鍼灸刺激だけでなく、食生活の見直しなどもとっても大事です！
食養生や生活習慣改善のアドバイスもしています。）
