副鼻腔炎に鍼灸治療
投稿日:2017年11月23日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです!
一気に寒くなってきて風邪を引かれる方が増えています。
風邪が長引いて、副鼻腔炎を起こしている方が来院されました。
副鼻腔炎とは?
副鼻腔炎は字のごとく副鼻腔に炎症を起こしている状態です。
副鼻腔とは、おでこや鼻の奥、左右の目の間、頬っぺたある「空洞=ほら穴」です。
イラストの赤の囲みが前頭洞(ぜんとうどう)、
青の囲みが篩骨洞(しこつどう)、
緑の囲みが上顎洞(じょうがくどう)、
黄の囲みが蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)です。
副鼻腔は空洞であることで、その役割は、
衝撃を吸収する、頭を軽くする、発声に関与するなどと言われていますが、
まだはっきりとはわかっていないようです。
副鼻腔は薄い粘膜で覆われていて、普段はその粘膜で免疫がはたらいて、異物は入り込みません。
免疫力が落ちて風邪が長引いた時などに、
ウィルスや細菌がその副鼻腔に入り込んで炎症を起こした状態が副鼻腔炎です。
感染がなくても、気管支喘息やアレルギー性鼻炎との関連もあると言われています。
副鼻腔炎が慢性的(3か月以上続く)になったものをちくのう症と呼ぶこともあります。
副鼻腔炎(ちくのう症)の症状
ちくのう症とは漢字で「蓄膿症」と書きます。
膿(うみ)を蓄えている症状ということです。
体の免疫システムとして、炎症を起こすとその部位に血液や体液(免疫作用を持つ白血球やマクロファージ)が集まり、そこで異物と闘います。
白血球が闘った結果の死骸が膿です。
副鼻腔炎では、膿のような分泌物が増えて副鼻腔(空洞)に溜まった状態になります。
副鼻腔は細い通路で鼻腔とつながっていて、
そこに分泌物がスムーズに排出されてくれればいいのですが、
炎症を起こして粘膜が腫れると、鼻腔とつながる通路が塞がれてしまいます。
分泌物の逃げ道がなくなり、さらに炎症がひどくなるという悪循環を起こしてしまうことがあります。
(まさに膿を蓄えている状態です)
副鼻腔炎の症状は
色のついたドロッとした鼻水(においが臭い)
鼻水がノドの奥に流れ込む=後鼻漏(こうびろう)
鼻づまり
痛み(頭、目の奥、頬)
頭重感
嗅覚障害
集中力の低下
などです。
副鼻腔炎の病院での治療方法
副鼻腔炎の治療は、一般的には抗生剤や抗炎症薬の内服です。
また、鼻洗浄をしたり、
ネブライザー療法で、薬を細かい粒子にした蒸気を吸う方法で鼻の奥まで届かせるようなやり方もあります。
慢性の場合は、副鼻腔を広げるような手術が行われることもあります。
副鼻腔炎に対する鍼灸治療
副鼻腔炎に対する鍼灸治療は、局所療法と全身療法の両方を行います。
局所療法としては、
鼻の周りや頬、眉間に鍼刺激をして血流を増やして、炎症物質を洗い流すようなイメージで行います。
首の後ろに鍼刺激をすることで頭重感をスッキリさせることも行います。
鼻や顔面に通じている手や腕のつぼに鍼をすることもあります。
(イラストはイメージです。鍼の箇所や本数は人によって異なります)
小鼻の脇に鍼を刺した瞬間に鼻が通る感覚を実感する方もいるくらい、即効性があります。
(顔面は毛細血管が豊富なため、ごくまれに鍼をして内出血を起こすことがあります。
内出血は2-3週間で自然に吸収されて治まりますので心配はありませんが、
吸収されるまでの期間に美容上の不具合を感じる方もいます。
内出血を起こさないように細心の注意を払っておりますが、100%起こさないとは言い切れません。
顔面への鍼を行う場合は、内出血を起こす可能性を説明し、同意を得られたうえで行います。
もし内出血が心配な方や、顔面への鍼が怖いという方に無理には行いませんので、ご安心ください。
そして、これまで内出血で困ったような出来事はありませんので、併せてご安心ください!
むしろ顔面への鍼を怖がっていた方でも「そんなに効果があるなら一度受けてみようかな…」とチャレンジした方の全員に、鼻の通りが良くなって喜んでいただけています。)
全身療法としては、
免疫力を高めることを目的に、足やひじ、鎖骨付近に鍼刺激を行います。
局所療法も全身療法も、その方の体の反応や体質によって使うツボは異なります。
最適なツボを選択できるように、脈・お腹・舌の状態や皮膚の圧痛などを丁寧にみていきます。
副鼻腔炎のセルフケア
・まずは予防として、
風邪を引かないように、手洗いうがいは必須です。
そして免疫力を高めるために、
体温を上げておくこと(温かい食事・飲み物をとる、入浴する、適度な運動をする、温かい服装で過ごす等)、
睡眠をしっかりとること、
バランスの良い食事をとること、
便通をよくすること、
です。
・風邪を引いたり、鼻炎等で鼻水がよく出るときには、
鼻をすすらず、上手に鼻をかむこと。
上手にとは、
下を向く、
ゆっくり(勢いよくかまない)、
最後まで出し切る、
です。
鼻をすすると逆流して、副鼻腔炎だけでなく中耳炎等になることもあるので要注意です。
鼻水は、異物を体の外に出してくれるものです。
しっかり出し切りましょう!
・口の中の整体
口の中に親指を入れて、上あごに触れてみます。
左右で高さが違ったら、低い方を押し上げるイメージで押してみてください。
特に頬が痛いような副鼻腔炎の時は、これで副鼻腔と鼻腔の通り道が改善されてスッキリできます。
(一時的に鼻水が増えるかもしれません。この場合は、上手に鼻をかんでしっかり出し切ってください)
・痛みが強くない時には、
鼻や頬、眉間を蒸しタオル等で温めるのも効果的です。
炎症をうまく引かせることができます。
もし温めて痛みが強くなる時は、すぐに中止してくださいね。
以上です(^-^)
副鼻腔炎でお困りの方はご相談ください!!