慢性腰痛への施術と想い
投稿日:2018年03月12日
こんにちは
横浜 旭区 希望ヶ丘のうさぎ鍼灸整体院のタテノです!
長年、腰痛を抱えたままやり過ごしてきた方への症例報告から、
私の施術に対する想いを書きました。
慢性腰痛に対する鍼灸整体症例報告
40代 女性 とある団体の代表をされているTさん。
Tさんは、慢性的に腰痛に悩み、
それでも特にケアをすることなく、
痛みを我慢して生活してきました。
まっすぐ立っている姿勢が一番楽で、
前屈したり後屈したりなど、腰を動かす時に痛みが伴います。
ここが痛いとピンポイントで示せるような部位はなく、
腰全体的に痛みを感じているとのことでした。
体をみてみると、いわゆる一般的な「腰」という部位だけでなく、
背中全体、腰、お尻、ふくらはぎなど、体の後面が全体的に張っている状態でした。
痛みが出ている時というのは、
筋肉をかたく緊張させて体を守ろうとしている反応の現れということです。
うつ伏せの姿勢は大丈夫ということでしたので、
うつ伏せになってもらい、
その張っている部分を緩めるために鍼治療を施します。
「これまで守ろうとして頑張ってきたけど、今はもう安心して緩んでいいですよー」という想いを込めています。
鍼治療の後、一度立ち上がって体の前屈・後屈の動きをしてもらうと、
初めよりは少し楽にできるように変化しました。
次は整体治療を行います。
仰向けの姿勢で、Tさんに体の重力を感じてもらいながら、
ふわっと足を動かします。
背中にエネルギーが伝わる感覚がきたかを確認すると、
「ちょっと待ってください」とTさん。
ゆっくり待っているとしばらくして、
「なんとなく腰から背中にじわじわ感じるようになりました」と自分の体の感覚を敏感に感じられるようになりました。
そうやって「今ここ」の自分の体に集中してもらうと、
Tさんの足が自動的に動き出しました。
ゆっくりで繊細ながらも、確実に私の手にもそのエネルギーが伝わってきます。
この足の動きは私が意図したものではなく、
Tさんの意図(頭で考えたこと)でもありません。
Tさんの体が本能的にしたかった動きなのです。
そうやって体がしたかった動きを素直に表現できると、
緊張していた心も体も自然に緩まってくれることにつながります。
しばらく時間・空間を共有したのちTさんの足の動きが止まったので、
私はそーっと手を離しました。
しばし余韻を味わってもらってからTさんに声をかけると、
「今の足の角度がすごくいい具合に引っ張られている感じで…。なんだか心地よくって、ぼーっとして、もう動きたくなくなるくらいの感覚です。なんだかずっと触れられている気がしていたのですが、もう離してたんですね。すごいなぁ」と。
体も気持ちも落ち着いて起き上がれるようになってから、
再度体の前屈・後屈の動きをチェックしてもらうと、
初めと比べて歴然と変化がでていました。
「特に前が楽にできる!!」と前屈の体勢が楽になったそうです。
表情が明るくなって良かったです(*^-^*)
※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。
体の負担・心の負担で起こる腰痛
Tさんは思い当たる腰痛の原因について、
「歳っていうのもあるし、全然運動していなくて運動不足だからかなぁ。」と話します。
確かに年齢を重ねることで筋力が落ちたり、
回復力が遅くなったり、
運動不足で筋力が衰えたり、
と体(腰)にかかる負担が大きくなることがあります。
しかし、年齢を重ねても腰痛を起こさない方もいますし、
運動不足でも腰痛を起こさない方もいます。
なので、加齢・運動不足が絶対的な腰痛の原因とは言い切れません。
本質的なことを書くと、
痛みは体からのメッセージで、「何か」を伝えたがって出てくるものです。
「何か」というのは具体的には人それぞれですが、
大きく言うと
「本来自分がしたいことからずれてしまっているからこのへんで修正してくださいね」
というお知らせメッセージなのです。
今まで十分に頑張ってきて、
でもその無理がたたって、
もうこれ以上は頑張らないで休みたいです、
本当は我慢をしないで生きていきたいです、
といったメッセージです。
痛みは体からのSOSサイン(警告サイン)という考えは、だいぶ浸透してきたように思いますが、
体と心は一つですので、
肉体的な負担を取り除くだけでなく、心の負担があればそれを取り除いてあげる必要があります。
それがこれまでの生き方を見つめなおして修正していくということです。
施術に対する想い
Tさんは団体の代表という立場(役割)で、
スタッフを束ね、
お客様に喜んでもらうことを考えて…、
関係者・取引先に気を遣って…、
家族のために時間を割きたいけど、仕事が優先で…
といった日常で、
優しいからこそ、他人に貢献することばかりを考えて、自分のことは抑え込んでいるように見えました。
そんなお話をしながら、
「今は自分のことだけに集中して大丈夫ですよー」
「体の思うままに動いていいですよー」
という気持ちで接して、
今ここにある安心に包まれた空間をともに過ごしました。
痛みが楽になってほしい、という想いが根底にあるのですが、
痛みを消し去ろうというような焦点を当てるのではなく、
思うように動けて体も心も緩まれば、痛みは自然と消えてくれるから大丈夫ですよ、
という想いです。
Tさんが素直に、丁寧に体の感覚を味わってくださったので、
私もとても穏やかな時間を過ごさせてもらいました。
施術を通じてこの感覚を味わうことを一度体験してもらえると、
自宅や職場など、どこでも自分の体に意識を向けて、セルフケアができていきます。
まずは今の体の声を聴いて、感覚を味わうことで、
「自分のやりたいようにして大丈夫だよ」と安心して許可を出してあげることが、
その後の生き方にもつながっていくと思います。
物理的な体のケアだけでなく、
こういった生き方を伝えていくのが私が提供できることです!!
お気軽にご相談ください(^^)